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この度、第三回枕崎国際芸術賞展に入選しました。1128点(過去最多)という応募作品数には驚きましたが、その中の62点に選ばれたことに大きな喜びを感じています。今回のブログでは入選した私の作品『nostalgia』についてお話しさせて頂きます。

この作品の構想は『ルイ・アームストロングの部屋』という設定で構想を練りました。サッチモは好きなジャズトランペッターです。調度この頃、NHKの朝の連続ドラマでオダギリジョーがジャズトランペッターの役を演じていました。サッチモの『on the sunny side of the street』は彼にとって特別な曲。単純な私はこの頃ジャズの音に浸っていました。50号の作品の中心には真空管テレビに映ったルイ・アームストロングのはずでしたが、著作権、肖像権の問題が頭を過ぎり、完成間近で自画像に差し替えました。

すると画面が思いの外、しっくりとまとまって来たのです。この作品には題材として2つの要素があります。一つは『ヴァニタス』、もう一つは『生と死』

16世紀から17世紀にヨーロッパ北部で描かれた細密な静物画のことをヴァニタスと呼びます。私の作品は、今日的なモチーフで現代のヴァニタスを表現しました。

私が敢えてヴァニタスという題材を選んだ理由は、西洋美術史の文脈から題材を抽出し、今日的なモチーフによって再構築し、その構想を表現することに価値があると考えたからです。村上春樹さんの小説『ノルウェイの森』に次のような下りがあります。

『死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。』

作品の中に様々なモチーフが描かれています。物に存在する記憶を通して、過去から現在、そして未来へと続く時間軸の中に、無数に存在する『生と死』の表現を試みました。

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