
『潜在的な欲望と覚醒された記憶』リュック タイマンス
リュック タイマンスは国際的に著名な作家で、現代アートの中で絵画表現の可能性を切り拓いた作家と言われている。 タイマンスの表現について、いくつも語られている文章がある。これらを読んでも、今ひとつ納得できないのは私だけであろうか。 私がタイマンスの作品を知ったのは、美術手帳で特集されていた記事が最初です。第一...
ブログ
リュック タイマンスは国際的に著名な作家で、現代アートの中で絵画表現の可能性を切り拓いた作家と言われている。 タイマンスの表現について、いくつも語られている文章がある。これらを読んでも、今ひとつ納得できないのは私だけであろうか。 私がタイマンスの作品を知ったのは、美術手帳で特集されていた記事が最初です。第一...
〜セザンヌについて〜 セザンヌ(1839〜1906年)は、後期印象派に属されますが、彼は印象派の作家の中で、サロンという伝統的な展覧会に出品し続けた作家です。セザンヌの描いたものは、人物、静物、風景です。セザンヌの絵画の特徴は、輪郭線と色面によって画面が構成されます。初期の頃の作品は、ロマン主義的な主題を取...
嶋本昭三先生の話で、私が大学生の頃について書きました。私は洋画ではなく、彫塑を専攻しました。それには理由があります。洋画科には、嶋本先生の他に、阿部荘先生がおられました。 私は、入学して間もない頃、石膏デッサンをしていました。先生は、その様子を見られて、「’君はどんな作品を作りたいのかな?」と尋ねられました...
マルセル・デュシャン が「網膜的」と否定した絵画はクールベを代表とした写実主義以降の絵画、彼の言葉を借りるなら「印象主義、フォービズム、キュービズム、抽象絵画」、19世紀から20世紀の絵画史を全て否定する事になる。 それでは、デュシャン が肯定する芸術とはどのようなものだろう。 網膜的絵画とは、簡単にいえば...
後期印象派の巨匠といえば、私の場合にはポール・セザンヌという画家が先ず頭に浮かびます。セザンヌは、後期印象派にカテゴライズされています。 セザンヌの作品は、ややもすると難解な印象を与えます。独特の縦や斜めのサクサクしたタッチ、画面に堂々と残した塗り残し。 一般的に後期印象派の代表的な作家はゴッホとゴーギャン...
戦争画 松本清張の小説に「砂の器」という小説がある。映画にもなっているが、劇中にこんなやり取りがある。 和賀の正式な婚約者田所佐知子とその父でもと大蔵大臣の田所重喜との会食の席上- 婚約者の父である田所が和賀に言う。 「まあ、好きなようにやりなさい。できることは何でもするから・・・」 これに対して佐知子は和...