ARTWORKS

第2回三越 伊勢丹 千住博 日本画大賞展の電子カタログが公開されました。

受賞作品と入選作品の計20作品と撰者である千住博先生のお言葉が掲載された図録が電子カタログにて公開されました。

受賞作品展覧会 会期:2022年8月24日(水)~2022年8月29日(月)最終日は午後5時終了  会場:日本橋三越本店 本館6階 美術特選画廊

この展覧会には、出品作品とは別に10号サイズの作品を出品するように依頼がありました。小さい作品はあまり得意ではありませんが、心を込めて描きました。

表現したいことは、基本的には同じで、「生と死」をテーマとしています。村上春樹さんの小説『ノルウェイの森』にこんな下りがあります。『死は生の対極としてではなく、その一部として存在している』私が表現したいものは、この言葉に集約されています。陰陽思想とも言える、この二律背反した緊張感こそ、今日的なリアリティでは無いかと考えています。

10号の作品は『FLOW』というタイトルです。最近は英語の動詞一語から全体の作品の構造を構成することを試みています。

今回の展覧会のカタログの冒頭に、千住博先生が「迫死とそれを凌駕していく生」と書かれています。我が意を得たりと感じ入りました。

新型コロナウイルス、災害、戦争といった生きるのに困難な時代に我々は、直面しています。

ジョージ オーウェルという小説家は、1948年に「1984」という作品を世に送り、それから2年後の1950年にこの世を去りました。

優れた作家には、未来を予見する力がある。また命をかけて心血を注いだ作品には人の心を動かす力があると私は信じます。

千住博先生は、芸術についてサルトルを引き合いにして次のように書かれています。

かつてサルトルは、芸術で飢餓を救えるかと、世界に問うた。当たり前だが、飢餓は救えない。そうではなくて生きる力を生むことが芸術の役割だ。そして美とは、生きていることを目の当たりにした感動のことだ。

私は千住博という偉大な作家と同じ時代を生きる幸せを感じずにはいられません。

この展覧会が素晴らしい「一期一会」となりますように

追記 電子カタログの私の経歴に間違いがありました。最終学歴は1993年、1967年生まれの54歳です。

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