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2024年は厳しい年になりそうだ。上野の森美術大賞展と三井 伊勢丹 千住博日本画大賞展の2つの公募展に出品したが、いずれも選外という結果であった。2つとも途中までは良い出来だったが、ところが完成に向けて、仕上げる段階で、甘さが出たように思う。作品が帰ってきたら、手を入れて次の機会を待とうと思う。
公募展に出品していれば、入選もあれば落選もある。落選は何度も経験しているが、悔しさは変わらない。私は3年間一度も入選できず、落選に慣れてしまっていた時期があった。自分でも納得していない作品であった。だがどうしていいか、全くわからなかった。
2022年にシルクスクリーンを使って作品に取り組んだ。初めは大作にどのように取り入れるか悩んだ。数ヶ月が過ぎたが、その間はひたすらTシャツを作った。妻は何か言いたそうにしていたが、私にはその気持ちは、言わなくても理解できた。「おいおい、Tシャツ屋でも始めるのかい?」
確かに「Tシャツを作るのは、違うだろう」とツッコミが入るのを、承知の上で、Tシャツ作りに励んだ。とても売り物になるものではありません。でもこの経験がシルクスクリーンでの絵画制作の手助けになったのです。例えば、多色刷りの作品を作る場合、明るい色から刷ります。そして暗い色を後から足していくことになります。この原則を活かすことが、シルクスクリーン版画の醍醐味と言えます。「バドワイザー」は、このようにして作られたのです。
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