アーカイブス

BLOGアーカイブ3

ポストモダンを駆け抜けろ!!ホーキング博士編

神なき時代を生きる我々へのメッセージ

2018年に亡くなられた理論物理学者のスティーヴン ホーキング博士は、筋萎縮性側策硬化症(ALS)という病と闘いながら76年の生涯を全うした偉大な人物である。

人は案外、自分の中に尺度を付けたがります。「身の丈に合う」という言葉がまさしくそれを表しています。
身の丈すなわち自分の手足の届く範囲内で、物事を考える習性があります。
ホーキング博士が、手の届かない宇宙に目を向けたのは、手足が不自由であるからこそ、無限の宇宙に思いを寄せたのではないでしょうか?
宇宙の真理は、無限の実体を掴むことにあります。
そのためにあらゆる想像力を結集します。
ですから、時に科学分野を超えて、宗教や宇宙人、タイムマシンなどに思考が広がります。
ホーキング博士は、「神の存在」を否定しています。
博士の見解には、自分自身が難病と闘ったことも大きく影響しています。
「なぜ特異な難病が発症したのか、なぜ他ならぬ自分が発症したのか。」
キリスト教の世界観では、世界で起こるあらゆることには神の意思が反映されています。

「神はすべての計画者であり管理者だ。神が介在しない偶然は存在せず、他ならぬ自分に難病が発症したことも、つきつめれば神の意思に他ならない。こうした宗教の答えが、それを信じる人に安寧をもたらすことがあるのも事実だ。自分の病気、愛する人の不運な死、多くの人が亡くなるような大事故も神の意思であり、そこには何らかの意味があると信じられる。偶然に意味を与えて必然に変換できるのだ。」
しかし、博士は宗教よりも科学の方がより正確で一貫した答えを用意しているのだから、それを受け入れるべきだと主張します。
博士によれば、最先端の科学研究を誰もができるわけではないが、最先端の科学の成果を理解することはできると言います。
そして明快に、世界には意味がないことを断言します。
「神なき時代」を生きる我々へのメッセージです。
「基本粒子の寄せ集めにすぎない私たち人間が、自分たちを支配する法則と自分たちの世界を理解できるようになったことは偉大な勝利」

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


関連記事一覧

TOP